心機一転!新カラーリングがお目見え
今回の走行テストでは、BRZ GT300・WRX STI NBR CHALLENGE共に2020年シーズンを戦う新しいカラーリングがお披露目されました。どちらもSUBARUブルーを基調としている点は変わりませんが、STIのブランドカラーのチェリーレッドをより大胆に強調したシャープなカラーリングとなりました。今シーズンはマシン・チームウェア共に、SUBARU/STIチーム全体でカラーリングのイメージを統一しているそう。レースだけでなく、サーキットで映える鮮やかなカラーリングにも注目です。さらに、WRX STIは2019年に引き続き、空気抵抗を減らすための”サメ肌”塗装を採用しました。

昨年に引き続き“サメ肌“塗装が施されたWRX STI NBR CHALLENGE。
得意コースでは確実に表彰台を狙うBRZ GT300
2019年は3位表彰台が一回と、速さを結果に結びつけることができず悔しいシーズンとなったBRZ GT300。今回のテストではエンジン・トランスミッションの搭載位置を下げたことと、重量配分を後ろ寄りとしたことの効果確認が主に行われました。いずれもBRZ GT300の強みであるコーナリングスピードをさらに高める改良です。さらにチームの運営面でもパートナーであるR&D SPORTとの役割分担を明確にし、様々な場面で迅速に判断を下せるような体制としたそうです。渋谷真総監督は「まずは全戦完走し、その上で得意コースで確実に表彰台を狙い、不得意なコースでもポイントを稼いでシリーズチャンピオンを狙っていきたい」と今年の目標について想いを込めて語っていました。

WRX STI同様、カラーリングの印象が⼤幅に変わったBRZ GT300。
初の3連覇に挑むWRX STI NBR CHALLENGE
2019年はクラス優勝に加え総周回数145周という2008年の初出場以来の最長距離を走破し、マシントラブルもなく、まさに完璧なレース運びを見せたニュルブルクリンク24時間耐久レースのWRX STIとSUBARU/STIチーム。
2020年は最多周回数・最速ラップタイム更新を達成し悲願の3連覇を確実なものとするため、ドライバーがさらに信頼できる・安心できるクルマを目指して開発が進められています。
2020年に向けた開発がスタートしたのは、昨年のレースが終わった直後の2019年8月から。しかしこの後も5月の24時間レース本番ギリギリまでどんなクルマにしていくか、徹底的に悩み抜くそうです。

ピットで各部のチェックを受けるWRX STI。

晴れ⽤・⾬⽤など、コンディションに合わせて様々なタイヤが準備されていました。
大きく変わったディーラーメカニックの選考形式
ニュルブルクリンク24時間レースには毎年全国のSUBARU販売店から選抜されたディーラーメカニックが派遣されていますが、今年から選考方式を大きく変更したのもトピックの一つです。昨年までは志望者が送った実技課題や自己PRの動画を元にした選考でしたが、今年からは実技審査と面接を一斉に行う選考会を開催。選考方式を変更した理由について、沢田拓也監督によれば「選考会に参加すること自体を目標の一つとしてもらうため」だそうです。また沢田監督は、参加者同士で作業風景を見ることができるため、参加したディーラーメカニックの新たな気づきに繋がることも選考会形式としたメリットとして挙げていました。残念ながら今回のシェイクダウンではディーラーメカニックの作業訓練が実施できませんでしたが、厳しい選考を勝ち抜いたSUBARU販売店のメカニックがレースで活躍する姿も要チェックです。

シェイクダウンに先立って行われたディーラーメカニック選考会には全国から多くの志望者が集まりました。

実技選考は実際のレーシングカーを⽤いて⾏われました。
レーシングカーも人の感覚で作り上げていくのがSUBARU /STI流
テスト中、辰己英治総監督はピットインしたドライバーからのコメントを熱心に聞くだけではなく、走行中自らコース脇に立ち、マシンの様子を自らの目と耳で確認していました。ニュルブルクリンクではコース脇に行くことができず、ピット内のモニターでしか状況を確認することができません。そのためテストでは五感を研ぎ澄ませてマシンの調子を把握することが非常に大切になってきます。人の「感覚」を大切にするというSUBARUのクルマづくりの考え方は過酷なレースを戦うレーシングカーでも変わらないということがうかがえました。

山内選手のコメントを聞く辰己英治総監督