技術が進化しても人の意識が変わらないと交通事故ゼロにはできない
「injured ZERO プロジェクト Tetsuya OTA SAFETY DRIVING LESSON」とは、様々なレースで活躍した自動車評論家/レーシングドライバーの太田哲也さんが校長を務める安全運転のためのドライビングスクール。運転スキルの向上だけでなく、「運転者の意識改革によって事故を減らす」ことを目的としています。2030年に「死亡交通事故ゼロ」を掲げるSUBARUもこの思いに賛同し、今回の共催となりました。

Photo: ㈱スポーツドライビングジャパン Tetsuya OTA スポーツドライビングスクール事務局
今回は、会場としてSUBARU車の試験に使われているテストコースを貸し出したほか、 SUBARU DRIVING ACADEMY(以下、SDA)が講師としてレッスンに参加しました。SDAは、「走れるエンジニア」を育てるため、超高速領域や限界領域でのトレーニングを通して、開発スタッフのクルマの評価能力を高めることが目的です。SDAメンバーは、開発スタッフの安全運転教育も担っており、SUBARU社員の事故率低減に貢献しているのだそう。

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今回のレッスン受講生は、各地から集まった一般ドライバー42名。SUBARU車だけでなく、他社のクルマのオーナーも多くいらっしゃいました。ドライビングレッスンはそれぞれの自家用車で受けるため、受付後は、まず全員で車両点検を実施します。その後、午前中は太田校長による座学、太田校長とSDAメンバーによるトークショーを経て、午後の実技レッスンとなりました。

午前中の座学では、太田校長による「”事故を起こさないために身につけておくべき”マナーと運転の極意」をテーマとした講義がありました。「どんなに道路が綺麗に舗装され安全になっても、クルマの技術が進化して安全性が向上しても、運転している“人”の意識が変わらない限り、交通事故はゼロにはならない」というお話には納得感があります。「ぜひ、皆さんにはアンバサダーとして、今日学んだことを広めていく役割も担ってほしい」という太田校長の言葉に受講生の表情がさらに真剣なものになりました。

いざという時に急ブレーキを踏めるようにするためのレッスン
いよいよ午後は実技。それぞれのクルマに乗り込んで、SKCのテストコースに向かいます。実技は大きく3つのコーナーに分かれて行われました。
1つは、スラロームレッスン。今回の実技はいざというときに「急ブレーキ」や「急ハンドル」が切れるよう、体験をしておくといった意図もあります。スラロームレッスンでは、「路上に何かを発見し、急ブレーキと急ハンドルで避ける」という設定で、スラロームを走行します。また、放水して濡れた路面で急ブレーキも体験します。やはり普段の運転では、急のつく操作は避けたいもの。最初はなかなかやりきれない急操作も徐々にキレが良くなっていく様子が見て取れました。

他社のクルマのオーナーも参加。
2つめは、SDAスタッフによる試験路体験とSDAの基礎カリキュラムの体験です。まずは正しいドライビングポジションの講義。SDAスタッフが1台1台1人1人のポジションを確認し、アドバイスをします。正しいドライビングポジションがとれたら、白線にサイドやフロントをぴったり合わせて車両を停める練習を行います。これは車両感覚を高めるためにSDAでも行われている基礎練習。コツをSDAスタッフが丁寧に伝えていきます。これは狭い道での切り返しや路肩への幅寄せでそのまま活用できそうです。最後にSUBARU車の開発のために、SKCに再現されたさまざまな路面(各国の舗装路、凸凹路、石畳、うねりのある道など)の走行を体験しました。

Photo: ㈱スポーツドライビングジャパン Tetsuya OTA スポーツドライビングスクール事務局
SDAからは、まず正しいドライビングポジションをレクチャー

Photo: ㈱スポーツドライビングジャパン Tetsuya OTA スポーツドライビングスクール事務局
さらにSDAの基礎トレーニングを体験
3つ目のコーナーは、SKCの外周を走っている高速周回路体験。自分のクルマで高速周回路を走ってみるだけでなく、SDAのトレーニング車両に同乗して200km/h以上の高速周回路走行を体験しました。高速周回路は、全長4.3km、1kmの直線2本を1kmの半円でつないだものです。この半円部分のバンクの角度は42.3度。参加者の方々は「ジェットコースターよりスリリングだった!」と興奮気味。特にSUBARU車オーナーのお客様は、自分のクルマが開発されたテストコースで自分のクルマを走らせるという、忘れられない体験になったと思います。

自分のクルマでSKCの高速周回路を走る体験も!
SUBARUユーザーにはぜひ安全運転アンバサダーとなってほしい
「いつも講義の中で『自分も事故を起こす可能性があると思いますか』という質問をするのですが、今回の受講生はそこで手を上げる方が多かったですね。この意識は安全運転にとても大切なものです。SUBARUのユーザーの方々はやはり安全に対する意識が高いのだなと思いました。SUBARUは2030年に死亡交通事故ゼロを目標としていますが、言うほどに簡単なことではないと思います。ぜひ、SUBARUユーザーの皆様には安全運転アンバサダーとなっていただければと思います」と太田校長。
早朝から夕方までの長丁場のレッスンとなりましたが、きっと参加された皆さんの帰りの運転は行きとはかなり違ったものになったのではないかなと想像させるようなイベントでした。

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