クルマづくりのレジェントたちが語る『クルマ塾』

2018年10月14日、スバル恵比寿ショールームSUBARU STAR SQUAREにて、クルマ塾実行委員会様主催の『クルマ塾』が開催されました。『クルマ塾』は各自動車メーカーのレジェンドたちが開発現場の秘話やクルマづくりの極意を語るという主旨で、今回で第3回目。SUBARU OBの工藤一郎さん、大林眞悟さんが登壇しました。
講演のあとには自動車ジャーナリストの清水和夫さん、竹岡圭さんを交えてのトークショーや来場者からの質問に答えるコーナーもあり、会場に詰めかけた多くのお客様が密度の「濃い」時間を過ごしました。
工藤一郎さん「EJエンジンの開発とその進化」

工藤一郎さんが語ったのは、SUBARU第二世代の水平対向エンジンとなる「EJエンジン」の開発秘話。エンジン設計部門として自ら開発に携わったEJエンジンの開発経緯は、現場にいた人ならではのエピソードの連続。とくに、実際に使われた手書きの検討資料は、SUBARUの中の人でもなかなか見ることできない貴重なものでした。第一世代エンジン(EA型)が性能的に時代に取り残されていく中で、ゼロから様々なエンジン型式を検討する過程で、いかに水平対向エンジンの良さを再発見していったのか。そのプロセスをたどることは、まさに、今につながる”SUBARU”誕生の瞬間に触れることが出来ました。
大林眞悟さん「安心と愉しさの系譜」

次いで登壇した大林眞悟さんが語ったのは、創業以来流れる「安心と愉しさ」の系譜。同氏は1970年(スバル1000の時代!)に入社。主に性能の取りまとめを担当されスバル360から現在に続いていくクルマづくりの思想を解説しました。安全への意識が低かった時代に、SUBARUは独自に衝突安全施設を作りバリアへの衝突試験を行うなどの試行錯誤を繰り返してきたとのこと。アクティブセイフティ(起こりうる事故を想定し事故を未然に防ぐための性能)についても、エンジン性能がシャシー性能を上回ってしまったら危険、という考え方のもと、エンジンの高出力化に合わせシャシーの性能も大幅に引き上げることで、全体の性能が進化し続けてきたそうです。