第五話「 SUBARUの会へようこそ 」
“SUBARUの会、召集!from 真央”
真央からのメッセージで私たち3人は、広い駐車場のあるいつもの喫茶店に集まることになった。
最近のカフェとは違い少し古風だが、拘りのブレンドの香りが染み付いた空間が心地いい。

駐車場に真央のBP型LEGACY ツーリングワゴンを見つけた。彼女は父から譲ってもらったその車を“レガちゃん”なんて呼んで可愛がっている。私は、いつものようにその横に吸い込まれるように停めた。
愛車がバッチリ見えるいつもの特等席で待つ真央の横に座ると、「唯衣の可愛いいキャラとBLITZENとのギャップがすごい。」と笑っている。

まもなくして望美のCROSSOVER7が到着。勢いよくドアを開けて席に着くなり、「ねぇ今日の召集の理由は何?」と目を輝かせながら聞いた。
大学のゼミで出会った真央と望美と私は、祖父や父の代からSUBARUに乗っている。

それを“奇跡的”と少し大げさなくらいに思い込んでいる。だから、“SUBARUの会”なのだ。
「運命の人がいたの!」

真央の思ってもいなかった一言に驚いた。見栄を張ることや曲がった事が嫌いで、学生時代から“かっこいい美人”と言われていた彼女は、浮いた話があまりなかった。
その彼女が理想だと言っていたのが、レオーネ4WDエステートバンに乗っていて、物心ついた時からドライブに連れて行ってくれた陶芸家の祖父。厳しくも優しく、頑固だけど夢を持ってキラキラしていた人だったらしい。

彼とはどこで出会ったのだろうか、そう思っていた時に真央が突然…。
「ねぇ!SUBARUの会の“もう一つのルール”覚えてる?」
SUBARUの会には“もう一つのルール”がある。それは、真央が大好きな祖父からの教え。
“思いやる気持ちをサインにして伝えること。”

せっかくSUBARUに乗っているのだから、軽く手を上げることでも構わない。相手を思いやる気持ちを、ちゃんとサインにして、伝える。そうすれば出会った人との絆が生まれる。出会った人を大切にできる。
私たちがいまでも仲がいいのは、このルールのおかげかもしれない。

その日、真央は道を譲った車に運命を感じたという。雰囲気が好みの人だった上にSUBARUに乗っていたからだ。ただ、それだけではない。
彼は、思いやりのサインを知っていた。
その後、その先のコンビニで二人、偶然出会い、声を掛け合ったのだという。
今日、真央はその彼をみんなに紹介しようとしていた。
奇跡は続く。わたしたちは声をそろえて彼を迎えた。

「SUBARUの会へようこそ!」
この物語は、SUBARUを愛する人々の実話に基づいています。
そしてこれからも、SUBARUを愛する皆様によって紡がれていきます。

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