第三話「 15年目の星空 」
「今日、行くよな」
									そうメールが来たのが1時間前。
									間髪入れず返信した。
									「もちろん」
									
									

高校を卒業して15年。
									本当に久しぶりの同窓会開催の連絡が来たのは3ヶ月前だった。
									僕ら東京で働く4人は、“いつでもすぐに会える”と思って、
									普段メールや電話だけで実際にはなかなか会うことがなかった。
									
									

										同窓会の連絡がきたことをきっかけに、久々に一緒に食事をした。
高校時代の話で久々に盛り上がった。
										
										

										そして、担任だった先生の話も。
										年齢が近いせいもあったので、先生というよりも兄貴みたいな感覚だった。
										同窓会には、その“兄貴”も出席するとあった。
										
									

										運転が好きな僕がクルマを出すことになった。
										ところが出発当日、田舎の町は記録的とも言える大雪だった。
										幸いそこまでの道路は閉鎖されていないという情報。
										雪の道を走ることも苦にならないし、自信がある。
										それが「やっぱり行くよな」の確認メールになった訳だ。
										
									

										最初こそ、明るい話題が多かった車中の僕らだが、
										話題はやがて今の自分たちへと移った。
										居心地があまりよくない会社のことや、
										ようやく自分の名前で仕事ができるようになったデザインの仕事での苦労話。
										「“兄貴”も俺達と同じ年ぐらいだったんだよな」という声で、
										兄貴との思い出話になった。
										こちらの真剣さがわかると、味方になってくれる先生だった。
										

										田舎の町に近づくにつれて、予報の通り雪深くなってきた。
										路面をしっかりと掴んでくれるこのクルマのハンドルを握り、
										自分を少し落ち着かせ、聞いてみた。
										「なぁ、高校の卒業アルバムに“兄貴”が書いた言葉、覚えてるか?」
										みんな、覚えていた。
										「大丈夫、空には星が綺麗だ」
										

										やっぱり来てよかったと思えた。
										僕だけじゃなく、この言葉に支えられた仲間がここにいる。
										高校時代の自分と現実の自分の距離を感じる時には、
										これからも今日のことを何度も思い出すだろう。
										そして、この道の先にも
										

										「15年目の星空」
										この物語は、SUBARUを愛する人々の実話に基づいています。
										そしてこれからも、SUBARUを愛する皆様によって紡がれていきます。
										
										
										「大丈夫、空には星が綺麗だ」
										
									


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