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季節の天体ショー

2019 [冬] 注目の天体情報!

2019-20 [冬] 注目の天体情報!

太陽系の中心となる太陽。太陽の周りを約365日かけて1周する地球。地球の周りを約27日かけて回る月。その3つの天体が一直線上に並ぶ時、地球からとても神秘的な光景を目にすることができます。太陽が欠けて見える「日食」です。2019年12月26日と2020年6月21日。約半年の期間を空けて二度、日本で日食が見られるこのチャンスを存分に楽しみましょう!

INDEX

「日食」…、太陽と月と地球が並ぶとき
レアな光景を目撃するチャンスは二度!!

★地球上のどこで見るか、そこがポイント!
★2019.12.26は国内でもそれぞれの日食が
★日食を安全に楽しみましょう

年末年始といえば… ふたご座流星群としぶんぎ座流星群
★オススメは12月13・14日と1月4日

「日食」…、太陽と月と地球が並ぶときレアな光景を目撃するチャンスは二度!! 「日食」…、太陽と月と地球が並ぶときレアな光景を目撃するチャンスは二度!!

2019年12月26日、東京ではこんな感じに

<2019年12月26日、東京ではこんな感じに>
この画像は2012年5月の金環日食のときに撮影した部分日食。画像の向きを回転させて、2019年12月26日の東京での見え方に近づけてみました。今回の日食では、欠ける面積が最大となったとき、ちょうどこのように見えます。
撮影:Ⓒ牛山俊男(2012.5.21)

地球上のどこで見るか、そこがポイント!

太陽―月―地球が一直線に並んだとき、地球から見ると、太陽は月で一部もしくは全部が隠されています。それが日食です。
画像Aのように、太陽の一部分だけ隠れているのは部分日食。Bのように太陽と月の中心が重なっていて、月の周りから太陽が少しはみ出て見えるのは金環日食。太陽が月で全部隠れてしまうのが皆既日食です。
地球から見て、太陽と月は同じ方向に同じ速度で動くわけではないので、太陽と月の重なり具合は、みるみる間に変わっていき
普通の丸い太陽 ➡ 部分日食 ➡ 金環(皆既)日食 ➡ 部分日食 ➡ 普通の丸い太陽
と変化するのですが
普通の丸い太陽 ➡ 部分日食 ➡ 普通の丸い太陽
の場合もあり、これらの違いは、地球のどこで見ているかによって決まります。
例えば2019.12.26の場合、日本から見られるのは部分日食だけですが、インド、東南アジアなどへ行くと、部分日食だけでなく金環日食まで見られる場所があります。一方、アメリカや西ヨーロッパなどでは、この日はいつもの太陽と新月(※1)となります。このように同じ日でも地球のどこにいるかによって、①金環日食、②部分日食、③普通の丸い太陽 と違ってくるのです。

※1…日食は必ず新月の日に起こります。

2012年5月に日本で見られた金環日食 <2012年5月に日本で見られた金環日食>
撮影:Ⓒ井川俊彦(2012.5.21)

2019.12.26は国内でもそれぞれの日食が

日本では14:00過ぎ〜14:30に日食が始まりますが、イラストDのように地域によって時刻に少し差があります。欠ける割合(=食分[しょくぶん])にも違いがあり、国内では小笠原諸島の母島あたりが最も大きく欠けます(食分0.613)。これはやはり地球上のどこにいるかの差で、太陽と月の見える方角・角度がわずかに変わるからです。
さらに違いが現れるのは日食の終わり。日食の最中に、太陽が欠けたまま地平線に沈んでしまう(=日没帯食[にちぼつたいしょく]※2)地域と、日食が終わって丸い太陽に戻ってから日没となる地域があります。その境目は伊豆半島―新潟中越地方で(イラストC)、この線より東側で日没帯食となります。
欠けた太陽が沈む姿はとても印象的で、しかもあっという間の光景です。できれば南西〜西南西が地平線・水平線近くまで開けている場所を先に見つけておいて、タイミングを逃さないよう観察したいですね!!

※2…日入帯食[にちにゅうたいしょく]とも呼びます。

各地の日食時刻と食分 <2019.12.26 各地の日食時刻と食分>
始=日食の始まる時刻、大=食が最も大きくなる時刻、終=食が終了する時刻、没=日食のまま日没となる時刻。
食分は太陽がどれだけ欠けるかを表す数値で、太陽の直径の100%が月と重なっていると1、50%重なっていると0.5。

東京での部分日食の経過 <2019.12.26 東京での部分日食の経過>
東京では日食が終わる前に太陽が沈む日没帯食に。

日食を安全に楽しみましょう

日食グラス(太陽観察用フィルター)
手軽で安全。肉眼で観察するときに使います。人間の眼で感じる可視光線はもちろん、有害な紫外線や赤外線も安全なレベルまでカットされています。それでも長時間見続けるのは厳禁。2〜3分見たら目を休めましょう。説明書をよく読んで正しい使い方をしてください。

太陽の光は強烈でとても危険です。まちがった観察方法で失明することがある!ことを覚えておきましょう。
肉眼や双眼鏡、天体望遠鏡で太陽を直接見ることは、一瞬でも絶対にやってはいけません。
下記のような物を通して太陽を見ることも絶対にダメです。

●黒い下敷き
●色セロハンを折り重ねたもの
●カラーフィルムの感光した黒い部分
●写真撮影用のフィルター
●スナック菓子の銀色の袋

たとえまぶしくなくても、紫外線や赤外線が網膜を痛めます

<月面L(O)VEとX> <日食グラスを使って観察>

<月面L(O)VEとX> <日食グラス(太陽観察グラス) オープン価格>
ビクセンが独自に開発した高品位遮光プレート「ソーラープロテック」採用。眼科専門医からアドバイスを受け、遮光性能から大きさ、形状に至るまで最大の安全性を考えて設計されています。


年末年始といえば…ふたご座流星群としぶんぎ座流星群 年末年始といえば…ふたご座流星群としぶんぎ座流星群

<最も大きい満月と最も小さい満月>

<ふたご座流星群の明るい流星「火球」>
撮影:Ⓒ井川俊彦(2018.12.14)

流れ星を見つけるコツ!
1. 目が暗闇に慣れてないと見えません。照明や看板など人工的な明かりが視界に入らない状態で、5〜10分以上、目を慣らしましょう

2. 狭い範囲に集中するのではなく、なるべく広い範囲をボーッと眺めましょう。

オススメは12月13・14日と1月4日

ふたご座流星群
オススメ1:12月14日夜〜15日未明
オススメ2:12月13日夜〜14日未明
ピーク(極大)は15日4:00頃。
あいにく放射点(※3)であるふたご座辺りに月があり、この方角は月の明るさで流れ星を見つけづらくなっています。しかし必ずしも放射点の方向を見る必要はありません。流れ星はあらゆる方向へ飛び出していき、どの方角でも流れ星は見られるので、月が視界に入らない方向を向いて流れるのを待ちましょう。
ふたご座流星群は、出現数が年間トップレベル!運が良ければ、写真のようなとびきり明るい火球が見られるかもしれませんよ!?

※3…流れ星の出発点のように見える位置

しぶんぎ座流星群
オススメ:1月4日1:00頃〜夜明け前
ピークは4日17:00頃ですが、この時間は放射点が地平線の下にあります。流星群は放射点が空の高いところにあるほど見やすくなるので、オススメは4日1:00頃〜夜明け前。
しぶんぎ座流星群はピークの前後3、4時間以外は極端に出現数が減ると言われていますが、流星群は年によって意外な結果となることがあるので、とにかく空を眺めてみましょう!

出典:科学情報誌「So-TEN-Ken」/Ⓒ(株)Vixen、(株)誠文堂新光社、他

そのほか、この秋注目の天文現象などを知りたい方は、国立天文台WEBサイト「ほしぞら情報」をご覧ください。

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