すばる星空倶楽部

季節の天体ショー

2018-19 [冬]注目の天体情報!

星がきれいに見える冬の夜空。ひゅっと空を横切る流れ星なんか見えたら、ステキですね。
流星群は特にたくさん流れる“三大流星群”というものがあって、そのうちの2つ、「ふたご座流星群」と「しぶんぎ座流星群」が冬に現れる流星群です。街灯などの照明が少ない郊外で、ぜひ“流れ星みつけ”に挑戦してみてください。
さらに2019年は日食が2回起こります。その1回目が1月6日。しかも日曜日なので、ご家族一緒の観賞がしやすくなります。
2016年の日食はほとんどの地域であいにくの天気となり観賞できなかったかもしれないので、2012年の金環日食以来、久しぶりに見る人も多いかもしれません。

INDEX

部分日食の経過

<部分日食の経過>
こちらは2014年にアメリカ コロラド州で撮影した部分日食。今年1月6日に日本で見られる部分日食は、北海道・東北で太陽の半分近くまで欠ける日食となります。撮影:Ⓒ根岸宏行(2014.10.23)

〜2019年は日食YEAR! 最初は1月6日日曜日の部分日食〜

日食と月食? 宇宙で何が起こっているの?

日食と月食? 宇宙で何が起こっているの?

日〔=太陽〕が欠けるのが日食月が欠けるのが月食です。両方とも太陽と地球と月の3つが一直線に並んだときに起こるもので、〔太陽―月―地球〕の順で並んでいるのが日食、〔太陽―地球―月〕の順が月食です。
日食は地球から太陽をながめた時、太陽の手前に月が入ってかさなった状態。月食は宇宙にできた地球の影(かげ)に月が入ってくることで起きます。
イラストを見ると、新月のたびに日食が、満月のたびに月食が起こるみたいですが、毎回 太陽と地球と月がきれいに一直線に並ぶとは限りません。は地球の周りを回り〔公転(こうてん)〕、地球も太陽の周りを公転し、それらの軌道(きどう)が微妙(びみょう)なだ円だったり、かたむいていたりします。…それらの理由から、毎回 同じ道を通るとは限らないのです。

地球の自転を感じよう! 刻々(こくこく)と形が変わる日食

今回の部分日食のタイムテーブルは表を参考に。
太陽と月の見える方角時刻などは、地域によって差(さ)があるので、日食の見え方もちがってきます。今回の部分日食は北へ行くほどたくさん欠けて見え、国内では北海道が食分(しょくぶん)0.5ぐらい〔※1〕まで欠けます。東京では8時43分に太陽の上側から欠け始め、約1時間20分後に食分0.4ぐらいまで欠けます。ここからはまた欠ける部分が小さくなっていき、1時間半後に丸い太陽にもどります。
はるか1億5,000万kmかなたにある太陽と38万km先の月が、こんなにはっきりと自分の目リアルタイムに見られること。約400倍も大きさが違う2つの天体が、ほとんど同じ大きさに見える偶然(ぐうぜん)。食分が刻々と変化している=地球が自転(じてん)しているという事実(じじつ)〔※2〕。これらを約3時間の天体ショーで経験(けいけん)できるのは、何物にもかえがたい思い出となるはずです。

※1…日食の食分は、太陽の直径(ちょっけい)が月でどこまでかくれたかを表します。太陽の中心まで月の縁(ふち)が重なると直径の半分までかくれたことになるので0.5、太陽の直径が全部かくれると1です。かくれた面積の割合(わりあい)ではありません。
※2…正確には地球の自転だけでなく、地球の公転と月の公転もわずかに関係します。

全国の部分日食

<全国の部分日食>
食分の数は1.000が全部欠ける状態〔=皆既(かいき)・金環(きんかん)日食〕。今回は部分日食なので、国内では北海道の0.539、つまり太陽の直径の半分を超えるところまで月がかさなるのが最も欠けた状態となる。

全国の食の最大

<全国の食の最大>
欠ける部分が最も大きくなる時刻と欠け具合は、このように場所によって違う。今回の部分日食は、北へ行くほどたくさん欠ける。

東京で見る部分日食

<東京で見る部分日食>
スタートは8時43分。10時06分が一番欠けるときで、11時36分に元の丸い太陽にもどる。

日食観察は安全第一! 正しい観察方法を知っておこう

太陽の光はとっても強いため、目に大ケガをしてしまう危険があることを知っておきましょう。日食を見るときにサングラスや普通の黒い下敷きなどを使うのは絶対に避けましょう。太陽観察(かんさつ)専用(せんよう)のグッズを、説明書(せつめいしょ)に書かれた正しい方法で使ってください。
また日食グラスなど人が使うためのグッズを、双眼鏡(そうがんきょう)やカメラのレンズにあてて使用するのは絶対禁止。大切なカメラがこわれてしまう恐れがあります。悲しい思いはしたくないですよね。
太陽を直接(ちょくせつ)天体望遠鏡(てんたいぼうえんきょう)でのぞくことはできませんが、屈折式(くっせつしき)望遠鏡であれば、太陽投影板(とうえいばん)をつけて観察することができます。学校の理科室においてあることもあります。使い方がわからなかったら、メーカーに問い合わせるなどして早めに準備し、普通の太陽で観察の練習をしておくといいですね。
ほかにも身のまわりにあるグッズを使った方法があります。
1つ目はピンホール投影法(とうえいほう)。手で持てる大きさの厚紙(あつがみ)や段(だん)ボール紙に直径数mmの穴をあけて、その穴を通った太陽光が白っぽい壁や板のような物にあたると、欠けている太陽の形がうつし出されるものです。手で持った厚紙と壁との距離は数十cmぐらいから少しずつはなしていき、太陽の形がくっきりとする距離(きょり)を探ります。穴の数だけ太陽の形があらわれるので、写真のように穴で文字やイラストを書いてみるなど、穴の並べ方を工夫して遊びましょう。
2つ目は、直径10cm以下のを使い、太陽の光を白い壁などに反射(はんしゃ)させる方法。鏡と壁との距離は鏡の直径の200倍必要となります。直径10cmの鏡で20mとなるので、鏡に1cmの穴を開けた厚紙を貼れば、2m位がちょうど良い距離となります。
<注意>反射させた光は絶対(ぜったい)に人に向けてはいけません。大変危険です!

太陽投影板

<太陽投影板>
屈折式天体望遠鏡に接続した太陽投影板に、欠けた太陽が映し出されているのが確認できます。

ピンホール投影法

<ピンホール投影法>
穴をたくさんあけて文字を作り投影すると、1つ1つの点が欠けた太陽の形に見えます。撮影:Ⓒ高松泉

日食グラス(太陽観察グラス)

<日食グラス(太陽観察グラス)>
大手量販店等で購入可能です。

〜冬はメジャー級の流星群が2つも!〜

12月14日夜〜15日未明「ふたご座流星群(りゅうせいぐん)」

オリオン座付近に出現したふたご座流星群
<オリオン座付近に出現したふたご座流星群>
撮影:Ⓒ井川俊彦(2017.12.14)

極大(きょくだい):14日(金)21時00分ごろ
出現予想数:1時間あたり40個。

三大流星群のうち2つは冬に見られ、ふたご座流星群がその1つです。流星群は流れ星たちがやってくる放射点〔=輻射点(ふくしゃてん)〕の星座(この場合はふたご座)が空高いところにあるほどたくさん見られます。
日本から見る冬のふたご座は高いところまでのぼり、ほぼ一晩中見えているので、ふたご座流星群は日本で最も見やすい流星群と言えます。極大の前後数日もトライしてみましょう。

※ 本文内の時刻は東京を基準としています。

1月4日未明「しぶんぎ座流星群」

極大:4日(金)11時00分ごろ
出現予想数:1時間あたり40個。
こちらも三大流星群の1つ。3日25時00分、つまり4日1時00分ごろから空が明るくなってくるまでが見ごろです。見ごろが短く1日ずれると流星群の数がグッとへり、見える確率が非常に低い流星群として知られています。

放射点のしぶんぎ座〔=壁面四分儀座(へきめんしぶんぎざ)〕は88星座に入っていませんので星図に書かれていません。だいたい、うしかい座とりゅう座の境目(さかいめ)、北斗七星(ほくとしちせい)の柄(え)に近いところにあります。

出典:科学情報誌「So-TEN-Ken」/(C)(株)Vixen、(株)誠文堂新光社

そのほか、この冬注目の天文現象などを知りたい方は、国立天文台WEBサイト「ほしぞら情報」をご覧ください。

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