星空観察は自分の目で夜空を見上げるだけでも楽しめますが、星空観賞ツールを使えば、探している星を見つけやすくなったり、星の名前を知ることができたりして、観賞の楽しみが広がります。
今回は、星空観賞の初めて方に必要な、基本ツールを紹介していきましょう。
星空観賞が初めての方は、何も手がかりなく空を見上げても、星があることぐらいしかわかりませんよね?
そんなときに便利なのが星座早見盤です。日付と時刻を設定すると、その日時に見える星空が表示されます。あとは方位を合わせれば、目の前にかがやく星座や天体を知ることができます。
紙製の星座早見盤だと、夜露を吸ってよれよれになってしまいがち。ビクセン社の星座早見盤は、ストーンシートという石からできている特殊な紙を使っていて、耐久性・耐水性にとてもすぐれています。
公園や広場で、突然方角を聞かれてもなかなかわかりませんよね? 星空ならば北極星の見つけ方を知っていれば方角がわかりますが、初めての星空観賞では、それもなかなか難しいでしょう。
そこで、必要になるのがコンパスです。星座早見盤と組み合わせて使えば、目当ての星をすばやく正確に見つけやすくなります。
本体横のボタンを押すと、暗いところの目にもまぶしくない赤色LEDが点灯。コンパス内部を照らします。またコンパス部が透明なので裏側からも表示が可能。星空を見上げながら使用できます。
星空を観賞するのは夜間です。しかも、できるだけ街明かりが少ない、郊外の公園などが理想的なため、身の回りもたいへん暗くなります。そのため、天体望遠鏡を組み立てるなどの作業時や、移動の際に危険を避けるためにも、ライトは必須のツールです。
さらにライトに加えて準備してもらいたいものが、赤色のセロファンです。暗いところにしばらくいると周りがだんだん見えるようになりますよね?これを暗順応(あんじゅんのう)といいます。明るいところにいるときに比べて瞳孔(どうこう)が開いているため、星が見えやすい状態になっています。
ところが瞳孔が開いた状態でライトの明るい光を見てしまうと、また瞳孔が閉じてしまい、ふたたび瞳孔を開かせるためには、数分の時間がかかります。
それを防ぐために、ライトに赤色セロファンをかぶせて輪ゴムなどで留めて使いましょう。
赤色セロファンは、光を弱めて赤い光にします。赤い光には瞳孔が反応しづらいため、最低限の光を確保しながらも星が見えやすい状態をキープできるのです。
赤色セロファンの用意や加工が大変な人には、これ! 天体望遠鏡メーカーのビクセンが作った、首かけライト、ヘッドライト、どちらにも対応可能な天体観測用ライト。赤色・電球色の切り替えや、無段階の明るさ調整ができます。
この3アイテムは星空観賞の「三種の神器」と言われたりします。スマートフォンのアプリでも星を見つけることは可能ですが、星空の日周運動をおぼえるためにも、まずは「三種の神器」を持って出かけてみてはいかがでしょうか。
次回は、初心者にお勧めのアイテム、双眼鏡についてご紹介します。
すばるの観賞方法一覧を見る