2019年10月18~20日の間、栃木県宇都宮市で開催された「ジャパンカップサイクルロードレース」。今年で29回目のレースには約10万人のロードレースファンが集まりました。SUBARUが2009年からサポートする3日間の大会のリポートをします(全2回)。
ジャパンカップサイクルロードレース 観戦リポート Vol.1

国内最大のロードレース、ジャパンカップとは?

ジャパンカップは、ツール・ド・フランスなど世界のトップカテゴリーで活躍中の選手が出場する日本最大のロードレースのひとつ。公道を封鎖して行われるスタイルは日本ではかなり珍しく、最近では1日で約10万人が訪れるビッグレースになっています。当初は森林公園で行われるメインレースだけでしたが、2010年からは市街地で行われるクリテリウムも開催するようになり、宇都宮全体でレースを楽しめるさらに大きなレースになりました。
レース会場は宇都宮市街地と宇都宮森林公園の2か所。まず土曜日に森林公園で市民レースなどのイベントが開催され、その午後には市街地でプロレーサーが走るクリテリウム、そして次の日の日曜日には森林公園でメインレースが行われます。また2つのレースに先駆けて金曜日の夜にはチームプレゼンテーションが行われるなど、3日間丸々、宇都宮周辺でロードレースを楽しめるようになっているのが特徴です。
チームプレゼンテーションは出場全チームのお披露目の場

10月18日、宇都宮市街地のアーケード街にあるオリオンスクエアでチームプレゼンテーションが行われました。出場する全チーム・全選手が紹介されるだけではなく、選手たちの緊張感は漂いつつも、どこかリラックスした表情も見られるため、ファンにとってはたまらない時間です。

出場全チームが次から次へとステージに登場。当日は小雨が降り続く中にも関わらず、集まったロードレースファンは傘を片手に大きな声援で選手を迎え入れていました。

「マトリックスパワータグ」のような特に国内を中心に活躍するチームが登場すると、ひときわ大きな声援が送られました。

この日最大の歓声があがったのは、日本最速のロードレーサーのひとり、「フミ」こと別府史之選手(右から2番目)が登場したとき。所属チームのトレック・セガフレードは、毎年ツール・ド・フランスで活躍するチーム。今回のレースにも有力選手を数多く帯同させていて、かなり本気の布陣でした。

まだレース前だと言うにもかかわらず、すでに宇都宮の街は熱気がスゴイ。駅前からアーケード街まであちこちにジャパンカップのバナーやポスターが貼られ、ロードレースの街といった雰囲気に。

オリオンスクエアにもSUBARUブースを出展。スマートトレーナーのWahooを使用し、実際のジャパンカップのコースを体験できることもあり、行列ができるほどの人気ぶりでした。

オリオンスクエアの隣には期間限定のジャパンカップミュージアムが開館されていました。食事を楽しみながら、ジャパンカップの歴史を振り返ることができる写真が展示されるなど、レースの気分を高めることができます。
全チームを紹介して、プレゼンテーションが終了したのは21時を過ぎ。名残惜しそうに帰っていくファンの姿が多く見られましたが、まだ本番はこれから。29年間レースが開催されてきたことで、しっかりと熱いファンが生み出されているのが実感できた光景でした。
レーサー気分を味わえる? 土曜日は一般サイクリストのための時間

プレゼンテーションを終えた次の日、土曜日は朝から森林公園で一般のサイクリストが参加できる「フリーラン」「チャレンジレース」が開催。日曜日のメインレースで使用するコースを実際に走ることができるとあって、人気が高いイベントになっています。

コース内を好きなペースで走ることができる「フリーラン」には、プロ選手も参加するなど、メインレースと同じコースを選手と一緒に走れる貴重な体験ができます。オレンジ色のジャケット姿のチームは、ツール・ド・フランス常連のチーム、バーレーンメリダです。

「フリーラン」の後は、ホビーレーサーたちが10.3kmのコースを2周、本気で走る「チャレンジレース」が行われた。約20㎞という短めの距離のため、スピード感はプロレーサー並み。参加して楽しむレースではあるのですが、レース展開はプロさながらのため、観戦してもその迫力が十分伝わるものでした。
土曜日のハイライト、ジャパンカップクリテリウム

ジャパンカップクリテリウムは1周2.25kmの宇都宮の「大通り周回コース」を15周するレース。長距離で争うロードレースとは違い、短時間で決着がつくため目まぐるしく展開が変わるスピード感が魅力です。

※出展:2019ジャパンカップロードレース
いつも生活道路として使用されている道路が封鎖され、レースコースとなることで非日常的な空間に様変わりするのがなんとも不思議な印象。選手の息づかいが聞こえるほど、至近距離でレースを見られるもの特徴のひとつです。

まずは2周のパレードランからスタート。チームのグッズをファンに手渡しながら、次第に緊張感が高まっていくのも楽しいところ。奥に見えるのは、ジャパンカップのロゴにもデザインされている二荒山神社の大鳥居です。

クリテリウムは今年で10回目。ビールを片手に、または仮装をしたり。ファンそれぞれがそれぞれの楽しみ方で応援するのが宇都宮のスタイルです。

レヴォーグをベースにしたマヴィックカーは、パンクなど自転車のトラブルに対して素早くサポートを行っています。

同じく選手の機材サポートを行うSHIMANOもSUBARUレヴォーグを使用。

自転車の集団が通り過ぎたとき、トラックが通過したような風圧を感じて、観客からは驚きの声が上がるほど。フェンスぎりぎりをハイスピードで走る選手も多く迫力十分

フェンスの外側には2重、3重の人垣が。レースは15時スタートでしたが、最前列で観戦したいファンは午前中の早い時間から場所取りをしているそうです。

レースはチームプレゼンテーションでも大きな声援を集めていた、トレック・セガフレードのエドワード・トゥーンスが優勝。「レース結果も気になるのですが、選手を間近に感じるのがクリテリウムのいいところ(40代・男性)」という言葉もあるように、選手が間近で走るその迫力、それを応援する観客の熱を感じられるのもレースの醍醐味かもしれないですね。
日曜日は森林公園でのメインレースが開催。Vol.2ではSUBARUが会場で行ったブースの様子も紹介します。お楽しみに!