SUBARU CYCLE FAN CLUB

スバリストなサイクルライフ

SUBARU車を愛してやまないスバリストなサイクリストを紹介する注目企画。第3回目は、長年の持病と付き合いながらもコンディションを上げ、プロレーサーたちと渡り合う社会人レーサーの北野普識さん。チームメイトも運ぶ愛車のレヴォーグとのサイクルライフを紹介する。

ロードレースの国内最高峰リーグのひとつJBCF(日本実業団自転車競技連盟)。その中で、自転車競技を専業とするプロレーサーたちが凌ぎを削るトップカテゴリーに挑戦し続けている社会人レーサーの北野普識さん。地元千葉県内の企業に勤めながら、休日はほぼ毎週、全国各地のレースに参戦する日々を過ごしている。
タレント揃いの社会人レーサーたちが多く籍を置く強豪クラブチームのイナーメ信濃山形で走り続けて10年目。今年7月で34歳のベテランの域になり、チームキャプテンを勤めて3年になる。そんな北野さんが休日の多くの時間を共に過ごすのが、愛車のレヴォーグだ。ルーフにはもうひとつの愛車を載せる。まさにスバリストなサイクリストの模範的スタイルだ。ちなみに愛車はスペシャライズドのターマックSL7。

年間通して実業団レースに参戦しつつ、ハイレベルなアマチュアレースにも参加しているため週末の予定はほぼレース遠征だ。
「レース遠征のほとんどはレヴォーグで移動します。今年も、春先から群馬、播磨、広島、修善寺など長距離移動ばかりです。レースがない週も走りやすい長野方面に行くことがあるので、年間通して週末はクルマと過ごすことがほとんどです。レース遠征では、チームメイトを乗せて一緒に向かうことが多いです。ルーフキャリアに自転車3台、ラゲージルームに1台の計4台積んで、4人4台で遠征することがよくあります」
遠征先で自転車に乗っている時間よりも多くの時間を乗っている愛車のレヴォーグは、サイクルライフに欠かせない相棒だ。レース会場のピットでは、チーム監督のクルマの隣に並ぶ北野さんのレヴォーグ。第二のチームカーのような存在になっている。

「遠征先によっては週末だけで往復1000km近い移動ということもあります。兵庫の播磨でのレースは千葉から片道600km、往復1200kmもあります。毎週のように遠征ができるのは、スバルの運転支援システムのアイサイトのおかげですね。高速道路走行時は、全車速追従機能付きのクルーズコントロール機能をフルに頼っています。アイサイトがなければ、150kmのレースを走った直後に、足をピクピク攣りながらも安心してドライブはできませんよ!
クルマがハンドル操縦をサポートしてくれるアクティブレーンキープ機能にも助かっています。もう随分レヴォーグに乗ってきているので、サポートが入るタイミングやクセもわかっているので、安心して任せられています」

疲れていても快適なドライブをサポートしてくれるアイサイト。チームメイトを乗せていくときも、ほとんど一人で運転する。さらに、レヴォーグならではの低重心で鋭い加速を楽しめるドライビング性能も楽しんでいる。今のレヴォーグに乗り出して5年が経ったが、レヴォーグに決めた理由はその機敏な走行性能が気に入ったからだった。
「昔からスバリストの父の影響で、実家のクルマは歴代スバル車です。遍歴は、アルミボディで2500CCだったアウトバック、インプレッサ、そして現在のレヴォーグです。レヴォーグは平日は父が乗って、週末は私が使う形で共用しています。レヴォーグを正規ディーラーで購入の際に、フォレスターも試乗して悩んだんです。フォレスターはラゲージスペースが広くて、後部座席の快適性も感じられたのですが、コーナーでの地面に吸い付く感じが強いレヴォーグの走行安定性に惹かれました。もちろん、自転車をキャリアで多くの積載できることも決め手でしたね」

INNO(イノー)のエアロベースのルーフキャリア(3台積載可能)以外にも、リアキャリア(2台積載可能)も持っているため、最大5台を外積みできる。なお、ルーフキャリアは自転車を乗せていない時もクルマとのフォルムがスマートに見えるエアロベースタイプにこだわる。

ラゲージスペースにバイクを積むときは、古毛布でフレームを包んで保護。北野さんはマジック毛布と呼んでいる

毛布で包めば、バイクの油汚れなどで室内空間を汚す心配もない。荷物が多い時はホイールはホイールバックへ

遠征グッズのチェアーとテーブルは、コンパクト収納でラゲージスペースへ

レース遠征で役立つアイテムとしてお気に入りのロングチェアー。ひとりなら横になって寝ることもできる

リアシート角は2段階で調整可能。チーム員たちも長時間移動を快適に過ごせる

内蔵のナビ以外にスマホでのナビ情報を収集。スマホにはサイクルマウントで知られるレックマウントのスマホリングが付き、台座側と磁石でワンタッチで固定される

ロードバイクとの出会いは大学受験の浪人時代にさかのぼる。気分転換に原付で日本一周中、京都に住む同期の家に泊まった。友人はロードバイクを趣味にしていて、「原付よりロードバイクの方が楽しいぜ」と薦められて興味を持った。そして、無事に大学に合格し、迷わず自転車部へ。「自転車旅などゆるい感じでロードバイクを楽しむつもりだったのですが、扉を開くとそこはトレーニング用のローラー台が並んだ汗臭い部室でした。イメージとはだいぶ違いましたが、それでも大学4年間は競技一本で過ごしました。ただ、結果はさっぱり。インカレのロードは完走すらできませんでした」

卒業後は東京のメーカーに就職。レース活動は、知人の紹介で社会人チームのイナーメ信濃山形に所属して継続。現在の仕事は、地元千葉で外資系メーカーの資材調達や工程管理等を行うプロキュアメント業務をおこなっている。海外に多くの拠点をもつ外資系会社のため、ビジネスタイムが日本時間の17時以降になることもある変則的な業務をこなしながらトレーニングを行う。「相手がアメリカだと夜22時以降のミーティングになることもあるので、平日は帰宅後、ミーティングが開始するまでの時間でインドアでトレーニングをしています。ズイフトで適当にオンラインレースに参加することが多いですね。土日の休みは、朝6時半から地元に近い手賀沼エリアや房総半島で100km超のロングライドをしています。インドアローラーは足を止めずに走るので、苦しいですが効率的です」
平日は火・水・木で夜時間にローラーを行い、土日に外へロング走へ出かける。金・月は休みだ。休日は午前中の練習が物足りなければ ”追いズイフト”を2~3時間やって、足づくりをしている。

北野さんは長年コンディション調整に悩まされていた。昔からアトピー性皮膚炎のような症状に見舞われ、ひどい時はレースどころではなかった。
「大学時代もそうですし社会人になってからも、肌のトラブルで体調の波が大きい日々を過ごしてきました。汗をかいたり、睡眠時間が短かったりすると痒くて眠れない時もあります。肌が炎症してしまうので、身体の回復もスムーズにいかずレースに向けたピーキングには苦労してきました」
そのような状態のなかでも、長年国内トップレースシーン(Jプロツアー)でシングルリザルトを残すなどコンスタントに上位で走ってきた。ここ数年で、肌トラブルがアトピー性皮膚炎ではなく結節性紅斑であると突き止め、効果的な中波紫外線療法(ナローバンドUVB)も受けることができている。
「先進治療のおかげもあって、ようやく治癒の方向に進んでいます。身体のコンディションも良くなって、レースに向けたピーキングもできるようになってきました。長年競技をやってきましたが、今が一番パフォーマンスが高いです。まだ自分の限界が見えないからこそ、こうして長く競技を続けてこられたのだと思います」

体調が崩れると病状も悪化するため、日々の睡眠時間の確保と規則正しい生活、さらに食生活も心がける。
「睡眠が足りないとすぐに肌に出るので、最低6時間は寝るように心がけています。食事では油を気をつけていて、ω6脂肪酸など多価不飽和脂肪酸(シス型)が多いひまわり油を使っています。またジュースは糖質が多いので飲まないようにしています。100mlあたり25kcal以上ある飲料はは砂糖が多いのでラベルをみて選ぶようにしています」
持病の治療が進み、日々の生活を整えることでコンディションを上げている今シーズン。ピーキングがうまく言ったという6月のニセコクラシック(北海道のニセコエリアで開催されるアマチュアレーサーたちに人気のロードレース)でひと暴れした。強豪がひしめく中で10位というリザルトを残しただけでなく、終盤の勝負どころの上りで自らペースを作って仕掛けてレースを主導するなど、今後につながる確かな手応えを掴んだのだ。
「レースに向けてピーキングに集中できるようになったことは大きいです。ニセコは展開的にやや悔しいレースになってしまいましたが、次につながります。今シーズンもプロ相手に戦うJBCFのレースで結果を残すことも大事ですが、11月のツールドおきなわ(市民210km部門はアマチュアレーサーNO.1を決めるレースとして知られ、ニセコと並ぶ人気ロードレース)での結果にこだわって、この調子でトレーニングを重ねていきたいです」

北野さんにはチームを牽引するキャプテンとしての役割も担う。若手からベテランまで十人十色な選手一人ひとりが自由闊達にアサーションできるように円滑なチーム運営を心がけて活動する。
「レースの局面などチーム判断で迷ったときにサポートしたり、合宿やイベントの取りまとめもキャプテンの役割ですが、チーム内に挑戦する空気を作ることを意識しています。チーム内で個々がやりたいこと、できることを把握して、常にチャレンジするチームを作るために、レースでは自分自身が何度も何度も挑戦する姿勢を見せ続けるようにしています」

最後にレースを共に戦うバイクを紹介しよう。スペシャライズドのターマックSL7は、およそ2年間乗り続けている。ホイールにロヴァールのラピーデCLXをアッセンブルし、コンポーネントはデュラエースDi2 R9170。近いうちに新型 デュラエースDi2 R9270への乗せ替えを予定。フレームカラーは当時限定カラーとして発売されたカメレオンシルバーグリーンカラー。光の角度によって、渋く深みあるグリーンの色味が浮かび上がる。

個性的なカメレオンシルバーグリーンカラーのターマックSL7

イナーメ信濃山形のチームカラーともマッチ

レイクのシューズはソールからカスタムオーダーメイド。やや使い込まれているが、じつは7年近く愛用しているという

遠征グッズはZOOT(ズート)のバックパックにまとめて収納してラゲージスペースへ。

横風の抜けがよいカンパニョーロのブレーキローターをアッセンブルする

サイクルコンピューターは動作解析が可能なLEOMO(リオモ)のタイプS

今シーズン、コンディションを上げている国内屈指のトップアマチュアレーサーの北野さん。愛車のレヴォーグに、もうひとつの愛車であるスペシャライズドのS-WorksターマックSL7、さらに仲間たちのバイクも載せて、今週も来週もレース遠征に出かける。「社会人レーサーになって10年目。そろそろ大きな勝ちを求めていきたい」と、力強くインタビューを締めくくった。

TEXT&PHOTO

ハシケン(橋本謙司)

自転車業界のメディアの立場として活動を続けて15年になるフリーランスの自転車ジャーナリスト。専門誌やウェブメディアにて連載をもち、スポーツ自転車の情報を広く発信。e-Mobility協会スペシャルパートナー。日本各地のサイクルツーリズム振興施策やバーチャルスポーツアプリ「ROUVY」のプロモーション、リアルイベントの企画・広報などにも携わる。乗鞍・冷泉小屋スタッフ。過去にMt.富士ヒルクライム一般の部優勝など、自身もアマチュアレースを走り続ける。
https://www.hashikenbase.com

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