海と山、歴史、グルメ・・・etc.
さまざまな愉しみ方ができる街"小田原"に思う存分、マウンテンバイク(以下MTB)が楽しめる専用コースが登場。初心者もベテランライダーも遊べるMTBパークを訪れてみました。
都心からのアクセス良好。小田原の都市型MTBパークで愉しむ電動アシストマウンテンバイク

都心からもほど近い本格MTBパーク
自然の中を爽快に走る――。MTBは単に自転車に乗る愉しみだけでなく、綺麗な景色が見られたり、森林浴が楽しめたり、ロードバイクとは違った魅力があります。ただし実際に山の中を走るとなれば、コース設定やテクニックなどが必要のため、初心者がいきなり始めるには少しハードルが高めのアクティビティです。

2017年、小田原にオープンした「フォレストバイク」は、小田原駅の北側の里山を切り開いて作られました。小田原駅からは約3㎞、都心からはクルマで1時間30分ほどで行ける都市型のMTBパークです。眼下に相模湾を望める場所にあり、ほんのりと海風を感じることができます。
レンタルバイクも完備。通常のMTBのほか、電動アシスト機能がついたMTB、e-MTBも用意してあります。あまり上りが好きではないので、今回はe-MTBをレンタルして"アシストの力"を借りながら、きつくないトレイルライドを愉しみました。

特徴はコースのバリエーションが多いこと。全部で5つのトレイルとスキルエリアがあり、上り下りするコースのほか、横方向に移動できる場所も多く、自分の体力・技術レベルに合わせればどんな人でも愉しむことができます。また上の画像のような「パンプトラック」も整備されています。
これはパンプ(凹凸部分)とバンク(カーブ)を人工的に配置・構成したコースのこと。オリンピックのBMX競技でもこのような凹凸のセクションがあったかと思いますが、森の中を走るだけではなく、このようなコースもあり、まさにさまざまなライダーがワンストップで1日中遊べるパークと言えるでしょう。

面白いのが初めて施設を利用する場合、インストラクターによる講習会を受講する必要があるところ。初心者は基本が学べて安心できますし、すでにMTBの経験がある人は改めて基本を学ぶことでさらにテクニックを磨くことができます。

初心者でもクリアしやすくスキルを学べる丸太セクションのほか、繰り返しジャンプのスキルを高められるジャンプレーンも整備されています。
程よい難易度がクセになる! トレイルを堪能

駐車場から5分ほど里山を上ったところから初・中級者向けのトレイルに入っていけます。その道すがら咲きはじめた梅を眺めながら走れるところも、心地よいのんびりとした風情があります。

梅林を抜けると、初・中級者向けのメインコース「浦島トレイル」の入り口があります。基本的に下り基調ではあるものの、あまり傾斜がきつくないため、スピードコントロールがしやすくはじめて走るライダーでも安全。

コース途中には分岐がいくつかあり、そのままコースを走り切ることもできますし、ショートカットしてもう一度最初から走ることもできます。画像のように難易度のレベルが明確に分かる看板が設置されているので、レベルに合わせたコース設定が可能。不安なく走ることができます。

このコースは「フロートレイル」といわれる、最近流行しているスタイルを採用しています。決してハードではないものの、かといって簡単すぎず、滑らかに走れるトレイルです。集中して楽しんでいると、気がついたらコースを走りきってしまう、そんな心地よいルートです。

途中バンクもあり、重力を感じながら左右にバイクをコントロールして走ります。気がつけば何度もチャレンジして、森の中を気持ちよく走り抜けていました。ちょっとずつ上手くなっていくことを感じていくと、さらにまた走ってみたくなる。そんな気持ちになるコースでした。

自然の地形、木々を活かしつつ、人の手を加えて里山にコースがレイアウトされたフォレストバイク。テクニックの差があると"同じ山"では走りにくいものですが、ここなら一緒に愉しむこともできます。

細かく連続するアップダウン、左右のカーブなどをクリアすることで、自転車の乗車技術が自然にマスターできるMTB。テクニックに余裕があることは安全に走ることにもつながります。
テクニックを磨いて、うまくなったと感じられたときの達成感はとても気持ちがいいもの。森林浴をしながら、さらに乗車テクニックが磨けるMTB。普段ロードバイクを楽しんでいるライダーも一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
- ●取材・構成:今 雄飛