SUBARU CYCLE FAN CLUB

絶景ロードを走ろう
乗鞍スカイライン

高原のワインディングロードや、山肌に続く九十九折りの山岳ロード。サイクリストなら人生で一度は走ってみたい憧れの道を実走レポートにてお届けする「絶景ロードシリーズ」企画。今回は、アウトドアアクティビティシーンに似合う「XV」にロードバイクを乗せて、長野と岐阜にまたがる北アルプスの南端にそびえる乗鞍岳へ。サイクリストに絶大な人気を誇る雲上のヒルクライムを一緒に堪能しましょう。

ヒルクライムの聖地。標高3026mの乗鞍岳は、サイクリストたちに、こう呼ばれています。長野側からは「乗鞍エコーライン」、岐阜側からは「乗鞍スカイライン」。日本が誇る山岳道路が、それぞれ県境の標高2716mまで続いています。どちらのルートも距離20km前後のロングヒルクライムコースです。終盤、森林限界を超えた先に広がる壮大なロケーションは乗鞍のハイライト!

中部山岳国立公園に指定される乗鞍エリアは、自然環境保護のため一般車両の通行が禁止されるマイカー規制が実施されています。そのため、サイクリストたちは、麓の乗鞍高原(長野)や平湯温泉(岐阜)にマイカーでアクセスして、そこから自転車に乗り換えて山岳サイクリングを楽しんでいます。

さて、今回走るルートは、岐阜側から登る「乗鞍スカイライン」です。昨年の豪雨災害によって一部道路が崩落して通行止めになっていましたが、2021年7月に念願の開通! いざ、2年ぶりの乗鞍スカイラインに挑戦します。

乗鞍スカイラインを自転車で楽しむときは、クルマを「ほおのき平駐車場」(無料)へ駐車することがオススメです。一般観光客は、ここのバスターミナルからバスに乗車して乗鞍スカイラインへ向かいますが、我々サイクリストはサドルにまたがって乗鞍スカイラインのスタート地点へ走り出します。

実は「ほおのき平駐車場」から乗鞍スカイラインの上り口までも、本格的な上り坂です。国道158号を少し上ると、平湯トンネル手前の側道(県道5号線)へ入ります。ここからおよそ3kmの登坂の始まりです。勾配もかなりきつめなので、ウォーミングアップにしてはちょっぴりハードかもしれません。
そして、連続するコーナーをいくつか抜けた先に平湯峠の石碑が飛び込んできます。ここが乗鞍スカイラインの入り口です。つまり、ほおのき平駐車場からはアプローチ区間で、平湯峠のピークが、スカイラインの入り口ということですね。

さて、石碑の前に自転車を置いて、ひと休憩がてら記念撮影。この平湯峠の地点で、すでに標高1684mあり、ここから距離14kmの乗鞍スカイラインへ入って、標高2716mの乗鞍畳平をめざします。起点となる平湯ゲートではスタッフがサイクリストの利用状況の把握のためのアンケート調査をしています。声をかけられたら協力しましょう。

乗鞍スカイラインと彫られた立派な標木を横目に見ながら、まずはペダリングのリズムを作ってマイペースで登り出します。1kmほどの地点はまだ片側通行になっているので、走行は気をつけましょう。しばらくは山肌に沿った山岳道路が続き、抜けの良いロケーションというよりは、どこか神秘的な山深さが印象的なコースです。なんだか熊でも出てきそうな雰囲気ですが、実は今回コース中腹で道端のササ草を食べている熊さんに出会いました。あちらはササの葉っぱを食べることに夢中でしたが・・・。

さて、ルートの全長は距離14.1kmで、平均勾配は7.1%です。ヒルクライマーならわかると思いますが、この距離を走って7%を超える平均勾配は、なかなかハードです。しかも、平湯ゲートから序盤の5kmは平均勾配8%を超えているので、序盤はペースをあげようとせずに、足の温存を心がけましょう。ふと、下界に目を向ければ、さっきまで登ってきた道を見下ろすことができます。さらに遠くには、平湯の温泉街も望めます。

乗鞍スカイラインにチャレンジするときには、小腹を満たす携帯補給食や水分補給のためのドリンクは準備しておきましょう。乗鞍スカラインにはゴール地点まで行かなければ飲食ができる休憩施設はありません。唯一、トイレがある駐車場が「夫婦松展望駐車場」です。平湯ゲートから3km弱の序盤の地点にあります。

夫婦松展望駐車場を過ぎた後は坂の勾配がやや緩み、快調にヒルクライムを楽しめる区間が続きます。そして、乗鞍スカイラインのハイライトシーンは、ラスト5km区間です。標高はすでに2400mに達して森林限界を超えています。山容がクッキリと映える小低木のみが繁茂する世界です。まるで大蛇のような曲がりくねった九十九折りの坂道が次々に現れます。

この雲上のラスト5km区間は、間違いなく日本を代表する山岳サイクリングルートでしょう。
ツール・ド・フランスの舞台となるようなヨーロッパアルプスにも似た山容と、そこを張り巡らされた山岳道路。標高2500mをすぎて酸素濃度も低く、ちょっと頑張りすぎると息苦しさも感じてしまう世界。それもまた乗鞍スカイラインならではの魅力かもしれません。

ダイナミックで雄大な九十九折りの乗鞍スカイライン。標高が高く天候が崩れると荒天しやすいため、天気が安定した日の午前中の時間帯を選んでチャレンジしましょう。

乗鞍スカイラインの起点から11km地点。ゴールの畳平まで残り3.3km地点からの絶景ポイント。

ゴールの乗鞍畳平まで残り1km地点の稜線上を走る乗鞍スカイライン。左手には槍ヶ岳や穂高連峰を望むことができる。

ゴール地点の畳平は松本市側の乗鞍エコーラインと平湯側の乗鞍スカイラインの合流地点。軽食などを食べられるレストハウスもあり、バイクラックも常設されている。

双方向から登れる「乗鞍ライチョウルート」

乗鞍スカイラインの開通期間は10月31日まで。それ以降は冬季閉鎖になり翌年7月まで自転車での走行はできませんのでご注意を! 2021年、乗鞍はその魅力を発信すべく、乗鞍スカイラインと乗鞍エコーラインを通貫する「乗鞍ライチョウルート」(雷鳥は乗鞍に多く生息する絶滅危惧種指定の鳥)という名称を誕生させ、麓の乗鞍高原温泉(長野県松本市)、平湯温泉側(岐阜県高山市)では双方向からの楽しみを発信しています。サイクリストにとって、松本側の乗鞍エコーラインは、乗鞍ヒルクライムレースが開催されることでも有名なので、ぜひ両方向からの絶景ヒルクライムにチャレンジしてみてください。

安全にルールを守って楽しもう!

マイカー規制された乗鞍スカイラインと乗鞍エコーラインは、自家用車の通行が禁止され、公共交通のバスやタクシーしか通行していません。そのためサイクリストにとっては走りやすい環境であることは間違いないでしょう。だからといって下りで飛ばしたり、対向車線をはみ出しての走行は論外です。また、九十九折のコーナー箇所では、大型観光バスはフロントが対向車線にはみ出して曲がることになります。コーナーでバスとすれ違いそうになったら、サイクリスト側がコーナーの手前で停車してバスの走行を優先してあげましょう。

乗鞍スカイラインのホームページ
https://norikuradake.jp

プロフィール

ハシケン(橋本謙司)さん

スポーツ自転車を専門にする自転車ジャーナリスト。自転車専門誌やウェブメディアにて複数の連載をもち、スポーツ自転車の情報を広く発信。また、バーチャルスポーツアプリ「ROUVY」のプロモーションや、リアルイベントの企画・広報などにも携わる。今回紹介した乗鞍では、乗鞍エコーライン沿いに建つ山小屋(冷泉小屋)の経営に携わる。https://www.hashikenbase.com

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