SUBARU CYCLE FAN CLUB

Vol.3 停車車両のかわし方と心得
対クルマの危険回避術

まもなく新年度、4月がはじまります。サイクリングにでかければあたりは草花がしっかり色づき、すっかり春の陽気ですね。寒い冬の間はサイクリングに出かける機会も多くなかったサイクリストの皆さんも、ロングライドの計画を立ててみませんか!?
さて、久しぶりにスポーツバイクに乗るときに気をつけたいことがあります。体力レベルやバイクコントロールのスキルがイメージとはズレていていることがあります。そのズレはヒヤッとする瞬間を生み、落車や事故のリスクを高めてしまいます。春先のライドでは、無理をせず安全を意識してスポーツバイクに乗ることが大切です。以前に紹介しました「春ライドで気を付けること」も、ぜひご覧になってください。

スポーツ自転車の安全走行について積極的に啓蒙活動をしている安藤隼人さん

安藤隼人さん(スマートコーチング代表)

都内にスタジオを構え、サイクリストやトライアスリートのコーチングを行うプロコーチ。また、自動車学校を使ったサイクルスクールのほか、自転車事故時に応急処置を施せる技術を講習するファーストエイドイベントも主宰する。安全を最優先にしたスポーツ自転車の楽しさを伝えている。書籍に「ロードバイク速攻上達本」。
https://www.facebook.com/smartcoachigjp/

停車車両を安全にかわすポイント

停車車両を安全にかわすためのコツとは?

道路は自転車だけでなくクルマも歩行者も通行するため、さまざまな危険が潜んでいます。実際に車道を自転車で走っていると、ヒヤッとする瞬間に出会うことがあります。過去2回、スマートコーチングの安藤コーチから自転車安全走行スキルについて学びましたが、今回は停車中のクルマの脇を抜けるシーンでの危険回避術についてレクチャーしてもらいます。

普段、側道にクルマが停車しているとき、どのようにかわしていますか。目の前に迫ってくる停車車両。でも、後ろからクルマに衝突されないか心配にもなります。その場の状況でなんとなく回避しているだけでは想像以上に危険です。
安藤コーチ 停車車両をかわすときのポイントは2つあります。停車車両の走行ラインから、車道側への車線変更を早めに行うことがひとつです。もうひとつが、後方車両に対する注意喚起です。よく見かけますが、停車車両に近づいてから急に車線を変更して、クルマの側方(真横)ギリギリを抜いていく走りはとても危険です。クルマの中の人が急にドアを開けた瞬間に事故が起きます。ドライバーはミラーで後方を確認しますが、クルマの真後ろから突然出てくる自転車は、一瞬死角になっているのです。

ギリギリまで車線を変更せずに、停車車両に近づいてからかわす走り方は、ドライバーからの死角になり危険を伴います。どのように走れば良いのでしょうか。
安藤コーチ 停車車両までの距離が十分にある段階で車線を車道側へ変更し、ドライバーの死角から抜けだしましょう。また、急な車線変更は後方車両に対しても危険です。しっかりと後方車両に対しては車線変更の意識を伝え、自分自身の存在を知らせることが大切です。

手前の段階で後方車両を制止させて車線変更ができている

車両に近づいたタイミングで停車車両の横に出てかわそうとしている

このように、なんとなく停車車両を回避するのではなく、段階を踏んで危険回避をすることでリスクを軽減できます。では実際、停車車両の脇を抜ける際の側方間隔はどのくらい確保したら良いのでしょうか。
安藤コーチ まずミラーに映るドライバーの仕草を確認しましょう。こちらの存在に気付いていないかもしれません。ドアを開けようとしているようであれば、側方間隔をより広くとることが必要になります。仮にドライバーと目線が合ったとしても、ドライバー側が自転車の速度感覚を知らないと、ドアを開けてくる可能性もあります。側方間隔の目安はおよそ1m。これはドアが全開で開いたとしても接触しない距離感です。

ミラーを確認すれば、車内状況とドライバーの様子を把握できます

側方距離を十分に取れていれば、ドアが勢いよく開いたとしても衝突を回避できます

早めに車線変更して、十分な側方距離を取りながら走行します

停車車両の横を抜けるとき、自転車は車道寄りを走っています。そのとき、後方車両への具体的な合図はどのようにしたら良いのでしょうか。
安藤コーチ まだ停車車両までの距離に余裕のある段階で、後方確認を行います。後方に車両が接近していないことを確認できたら、車道側へ大きく手を広げて車線変更の意思を伝えましょう。大きく手をあげることで、車両と接触するリスクを感じるかもしれませんが、自転車の存在を大きく見せることが大切です。しっかり手を広げれば、後方車両が無理に追い抜くことをやめてくれるでしょう。

後方車両に対して、しっかりとしたジェスチャーで意思を示してあげることが大事です

危険予測をして走るクセをつけよう

この状況から、どのような予測が出来ますか? リスク回避の術を身につけましょう

停車車両を安全にかわすコツを安藤コーチに丁寧にレクチャーしてもらいました。このほかにサイクリストが気をつけるべきことはあるのでしょうか。
安藤コーチ 停車車両の横を抜けるときに気をつけるべきは、サイクリストからは死角になっている停車車両の前方からの人の飛び出しです。乗用車はもちろん、車高が高いバスやトラックなどの前方はサイクリストにとって死角です。そこで、少しでもリスクを減らすために周辺情報を捉えるようにしましょう。例えば、路面を見たとき、停車車両の影とは別の影が見えたら、もしかしたら人がいる?と想定できるはずです。そのようなときは、「通ります!」と、声でこちらの存在を知らせてあげることが大事です。

停車車両の影の前に見える細い影から危険を予測できます

このように、停車車両に潜む危険を予測して避ける行動だけでなく、サイクリスト自身の存在も知らせてあげることでリスクを回避できます。

クルマの前方からの飛び出しに対して予測しましょう

ここまで紹介した「停車車両を安全にかわすポイント」と「車両の脇を通過する際の危険予測」について、ムービーでもわかりやすく解説しています。テキストと合わせてチェックしましょう。

追い越しの際のサイクリストマナー

最後に、サイクリストが心がけたいマナーについて安藤コーチにアドバイスをもらいます。対クルマだけでなく歩行者やランナーなどに対しても、ちょっとした心掛けが大切だと言います。
安藤コーチ 街中の細い道や河川敷などを走る際に、歩行者やランナーに対して配慮ある走り方ができていますか。車道を走っていて、車間なくギリギリのラインを大型車両に猛スピードで追い越されて怖い思いをしたサイクリストも多いと思います。それと同じで、私たちサイクリストも、歩行者やランナーに対し配慮ある走り方が大切です。

では、具体的に走りながらどのような工夫をしたら良いのでしょう。
安藤コーチ 最近は歩行者もランナーもイヤホンを付けている場合もあるため、なるべく距離がある段階で「通ります」と声をかけるだけ、こちらの存在を知らせることができます。一度では気付かないこともあるので、何度か声をかけます。追い風であれば、声も届きやすいので、ある程度離れていても気づくものです。直前に声をかけると、逆に驚かせてしまうだけなので注意しましょう。そして、追い越したら、軽く手をあげて「ありがとうございました」のお礼を伝えましょう。

いかがだったでしょうか。今回は、春からサイクリングに出かけようと考えているサイクリストの皆さんが、安全に自転車を楽しむための危険回避のための実践スキルと、交通社会の中の一員としてのマナーについて安藤コーチに教えていただきました。それでは、安全に愉しいサイクルライフを楽しんでください。

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