SUBARU CYCLE FAN CLUB

手ぶらでしまなみ海道を楽しむ。仕事ついでのサイクリング その2

日本で一番有名なサイクリングスポットのひとつとして知られる「しまなみ海道」。今回は自転車乗りではなくても「いつかは走ってみたい」と言われるサイクリングの聖地を走ってみました。※全2回

橋の上の県境を越えて広島へ

前回は愛媛県・今治市からスタートし、大島、伯方島、大三島を走破しました。今回は大三島と生口島をつなぐ多田羅大橋からスタートします!

大三島で愉しい寄り道をしたおかげで、すでに日が傾いてきています。雨の予報が出ていたのですが、この時間には天気がもち直してきていて、きれいな夕焼けが見られそうです。瀬戸内海の島々の向こうにゆっくりと沈んでいく夕日の景色は、しまなみ海道の見どころのひとつ。ちょうどゴールの尾道でごほうびの夕焼けを見ようと、ちょっと急ぎながら走ります。

多田羅大橋のちょうど真ん中が広島県と愛媛県の県境です。今治からここまでの走行距離は約60㎞。大三島で寄り道をしたので予定より走行距離が伸びて100㎞くらいになりそうです。いよいよ急がねば!

見どころがたくさん。レモンで有名な「生口島」

大三島の次、生口島(いくちじま)は文化と自然がバランスよく調和した島です。生口島出身の画家、平山郁夫の美術館や西の日光と言われる耕三寺(こうさんじ)があるほか、美しいビーチ、名物のたこ飯など、ほかの島と同様に見どころが多い島です。またレモンの島としても有名。さっそく橋を降りるとすぐにレモンのベンチが出迎えてくれます。

生口島のサイクリングロードは海沿いを走るルートが多く、瀬戸内海とそこに浮かぶ島々を存分に堪能しながら走ることができます。ゆっくりとオレンジ色に染まっていく空と海の風景は、眺めているだけで旅情を感じさせます。

生口島には「瀬戸田サンセットビーチ」という、日本の名海水浴場にも選ばれた夕日が美しい砂浜もあります。取材当日は冬でしたがリゾートな雰囲気も感じさせる場所でした。

しばらく海沿いを行くと瀬戸田の市街地に入ります。島の中心部にあるのが浄土真宗の寺院、耕三寺です。西の日光と言われるほど、そのきらびやかで豪華な建築様式が特徴です。

耕三寺に続く参道が整備されていて、約400mの道の両側に昔ながらの食堂やオシャレなカフェが並んでいます。昔ながらのお肉屋さん岡哲商店は、先を急ぐサイクリストに人気の立ち寄れる人気スポットです。

人気メニューは揚げたてさくさくのコロッケで1個90円。名物おばあちゃんが「よう来たね」と出迎えてくれます。日が傾いてちょっと肌寒くなってきたこの時間帯にはぴったりのおやつでした。

しょっぱいものの後に食べたくなるのが甘いもの。耕三寺から10分くらいのところにあるのが、サイクリストに人気のジェラート専門店「ドルチェ本店」です。"ブルーライン"を外れてサイクリストが次々に吸い寄せられるようにお店に入っていきます。ジェラートをオーダーしていると、さっきコロッケを食べていたサイクリストが後ろに並んでいました。

食べたのは瀬戸田のデコみかん&レモンのダブル(440円)。地元・瀬戸田産のフルーツを使った、自然な甘さのさっぱりさわやかな味わい。気分がリセットされて残り30㎞も走り切れそうです。

しっかりとエネルギーをチャージさせてもらった生口島を後にして、生口橋を渡り次の因島(いんのしま)に向かいます。

因島のサイクリングロードは約10㎞。多くが島の真ん中の農村風景の中を走るルートを通ります。次の橋に入る直前に海に出ると前半にゆっくりとし過ぎたせいか、日没はまもなくという時間帯に。ゴールの尾道で夕焼けを愉しもうと思っていたのですが、ちょっと間に合わないかもしれません。

因島に渡る因島大橋はほかの橋と違い、高速道路の脇ではなくその下を走ります。鉄骨がむき出しの道を進みますが、両側はオレンジ色に輝く瀬戸内海。先を急ぎつつも、思わずしばし眺めてしまう美しさです。

日没直後の因島大橋です。午前中の曇り空から一転、オレンジ色に染まる空にくっきりと浮かび上がる瀬戸内海の島々が美しい!ここまで走ってきたご褒美のように感じます。ゆっくり眺めていたいところですが、レンタル自転車返却の時間もあり夕焼け鑑賞はそこそこに、いよいよ最後の島、向島(むかいしま)から尾道に入ります。

尾道へは渡し舟に乗って上陸

向島は尾道の向かい側、約300m幅の尾道水道を隔てたところに位置しています。そのため尾道との行き来も活発で共通の文化圏といっていいでしょう。向島はレトロな街並みと近代的な街な同居する島です。立ち寄りスポットはたくさんありますが、自転車の返却時間が迫っていたため泣く泣くスルー。また今度ゆっくり立ち寄ることにします・・・。

尾道と向島をつなぐ橋はあるのですが、交通量が多く、自転車は渡船(フェリー)の使用が推奨されています。渡船はビジターの自分にとってはわくわくする乗り物なのですが、市民にとっては通勤・通学に使用する交通機関。島と島を往復して自動車やバイク、自転車、歩行者を対岸まで運んでいます。バスのように頻繁に来るので、待ち時間を気にする必要はありません。桟橋で待っていると対岸から渡船がやってきました。

渡船会社は3社あり、自分が利用した尾道渡船の利用料は大人100円、自転車持ち込みはプラス10円です。乗車時間は5分ほど。あっという間に対岸です。

すっかり日が暮れてしまいましたが、尾道の街の明かりが見えてきました。

ついに上陸。ゴールに決めていたジャイアント尾道までウッドデッキがつながっています。尾道駅の目の前がすぐ海というなんとも素敵なロケーション。

ジャイアントストア尾道は、かつての海運倉庫を改修してホテルやカフェなどが入った複合施設Onomichi U2の中にあります。自転車を返却して、メカトラブルがないかなどを確認して無事終了です(レンタカーと同じですね)。しまなみ海道は約70㎞のサイクリングロードですが、今回は寄り道をした結果、約100㎞まで走行距離が伸びました。立ち寄りスポットの紹介でちょっと走り過ぎの気もしますが、今回もまたしまなみライドに大満足です。

散歩やグルメに最適な尾道

尾道といえば映画やテレビなどの舞台になることが多く、なんとも懐かしい気持ちにさせられる路地と坂道の街です。駅から徒歩圏内に神社やお寺などのスポットもたくさんあります。今回は今治をスタート地点にしましたが、尾道側からスタートしてもまた違った"しまなみ"を愉しむことができるでしょう。

駅前から伸びる商店街は旅情たっぷりのレトロな雰囲気。思わず写真を撮ってSNSにあげたくなるスポットがたくさん。徒歩でも回れますが、自転車を使えばもっと広範囲に尾道めぐりができるでしょう。

階段+上り坂のため自転車ではいけませんが、尾道の街を一望できる千光寺はおすすめスポット。尾道は自転車も良いですが、迷路のような路地をぐるぐる歩いてみるのも愉しい場所です。

山側の路地にはたくさんの地域猫がいます。人懐こくて撮影慣れしているのか、近づいても軽快されることなくポーズまで決めてくれます。

"尾道グルメ"といえば、やはりラーメン! 自転車を返却した後でも立ち寄りやすい「尾道ラーメン たに」さんは、駅前の鶏ガラでとった醤油ベースのスープに小魚の風味が香ってくる独特の味わいのラーメンを提供してくれます。表面に浮いた背油のコクで箸が止まりません。

もう一つの定番は「穴子」。甘辛いたれで焼いたものから、天ぷら、ふっくらと炊き上げた煮穴子までバリエーションはたくさんあります。穴子を使ったわっぱめしもあり。

まとめ

しまなみ海道は景色やグルメが十分に満喫できる世界有数のサイクリングロードです。地元のドライバーさんも車道走行できる自転車になれているので、走っているときに危ないと感じることがなかったこともおすすめのポイントです。サイクリングコースの設定で気をつけるべき点は・・・

・水分補給をしっかりすること
・無理のないスケジュールをたてること
・交通ルールを守ること

以上です。
これから自転車をはじめようと思うみなさんも、しまなみ海道からデビューしてみるものいいかもしれません。

  • 取材・文/今 雄飛(こんゆうひ):ミラソル デポルテ代表。スポーツブランドのPR業務を行うかたわら、自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン(IRONMAN台湾完走など)

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