SUBARU CYCLE FAN CLUB

手ぶらでしまなみ海道を楽しむ。仕事ついでのサイクリング その1

日本で一番有名なサイクリングスポットのひとつとして知られる「しまなみ海道」。今回は自転車乗りではなくても「いつかは走ってみたい」と言われるサイクリングの聖地を走ってみました。※全2回

本州と四国をつなぐ全長70kmのサイクリングロード

(出展:ひろしま観光ナビ)

本州側の広島県尾道市から四国側の愛媛県今治市まで、6つの島をつないで走ることができるのが「しまなみ海道です。全長は約70㎞。交通量が少なく、サイクリングロードが整備されているところから「サイクリストの聖地」と呼ばれています。特に人気のポイントは以下の5つです。

1.ルート(距離)設定が自由にできる
2.高速道路の横を走る非日常体験
3.各地のグルメが愉しめる
4.どこを走っても景色が最高
5.レンタサイクルが充実していて、気軽に体験できる

サイクリングロードを寄り道せずにまっすぐ走るだけでも愉しめるのですが、途中の島で回り道をしてみると、より「しまなみ」を愉しめます。それぞれ6つの島には特色があり、景色も文化も違っていて、さらには勾配(難易度)も違うため、自分の走力に合わせてコースのアレンジができるところも人気のポイントです。前回はこの島に立ち寄ったから、今回はあの島、というように何度も訪れることができるのも「聖地」と言われる所以かもしれません。

そんな憧れの場所ですが、近くに住んでいなければ頻繁に訪れることが難しく(近くにお住いの方がうらやましい!)、数年に1度走れればいいのが実際のところ。しかし、愛媛の松山で仕事があり、そのついでにレンタルサイクルで手ぶらの「しまなみサイクリング」を愉しむことにしました。

まずはご当地グルメから満喫

愛媛県の松山からしまなみ海道の始点、今治(いまばり)はJRの特急で約50分です。夕方すぎに前日の仕事を終え、20時すぎには今治に到着。串に刺さず鉄板でカリカリに焼き上げる焼き鳥、ご当地グルメ「皮焼き」で仕事の疲れを癒しつつ、早めに切り上げて明日に備えます。

ちなみに今治には自転車に関係するご当地スイーツもあります。世界最古の自転車イベントといわれる「パリ~ブレスト~パリ」にちなんだ「パリブレスト」から着想を得て作られた「今治ブレスト(バリブレスト)」というものです。自転車の車輪のようにドーナツ型をしていて、今治産の食材を使用しているところがコンセプト。今では市内の約13の洋菓子店などで購入できるほど広がりを見せているそうです。

今治駅前でレンタサイクルを借りてスタート!

さて翌日。いよいよしまなみライドがスタートです。今治駅の改札を出てすぐ隣、ジャイアントストア今治であらかじめ予約しておいたロードバイクをピックアップします。瀬戸内海を挟んだ本州側にあるジャイアントストア尾道に返却する、ワンウェイのレンタルです。

今回はロードバイクをチョイスしましたが、クロスバイクや最新のe-BIKEもレンタル可能です(返却方法に制限があります)。またパンク時のトラブル対処法や、トラブルが起きたときのレスキューポイントの場所などの案内もあり、レンタカーのようなサービス内容でした。はじめてスポーツバイクに乗る場合も安心! 午後に雨の予報も出ている、曇りの天気ですがのんびり走り出します。

今治駅から尾道方面へ向かうのとは逆方向になるのですが、今治城にちょっと寄り道。古くからの町並みや城跡などが残るのもこの地域の特色のひとつです。

今治城を後にして、尾道に向かいます。しまなみ海道の素晴らしいところのひとつですが、路側帯にブルーのラインが引かれていて、その線に沿って進めば迷うことなく到着することができます。今はスマートフォンもあるのですが、いちいちマップを確認しなくてもいいので本当に助かります。

今治城から20分ほど走ると最初に渡る橋「来島海峡大橋」に到着です。しまなみ海道の中でも最大規模で長さは4000m。橋脚のすぐわきを自転車で走るとその大きさに圧倒されます。サイクリングロードは高速道路のすぐ脇を通っていて、クルマが走行しています。

この写真は以前走ったときに付近の展望台から撮影したものですが、天気が良ければこのような景色も見られます。しまなみ海道の中でも人気の高い美しい橋です。海面までは180mほどの高さを走るポイントもあり、空の上を走っているような気持ちになれます。

しまなみ海道のそれぞれの橋にはこのような料金所があり、橋によって違いますが50~200円の通行料を払って通過するシステムです(全区間は500円)。

そのため小銭を準備していたのですが、取材当日(2019年11月)はキャンペーン期間中で無料でした。

最初の島「大島」に到着

あいにくの曇り空と濃い霧のため、ほとんど真っ白な景色の中を走っていくとあっという間に最初の島、「大島」が見えてきました。自転車は島に到着すると、高速道路から離れて走ることになります。画像のように橋へのアプローチはループ状になっていて、島に降りる時は下りですが、橋を通過するときには上り。終盤になってくるとこの上りが疲労につながってきます。

大島から来島海峡大橋をのぞんだ景色。「あんな遠くから走ってきたのか」という気持ちになりますが、道のりはまだ序盤。15㎞くらいしか走っていません。

大島の玄関口、道の駅よしうみいきいき館では瀬戸内で採れた食材を選んで食べられる、海鮮七輪BBQが人気です。まだ序盤、BBQとビールに後ろ髪を引かれながら先に進みます。大島のサイクリングロードは、島の中央をまっすぐ進むルートでのどかな農村の風景に癒されながら、ペダルを踏んでいきます。しまなみ周辺のドライバーは自転車に慣れているせいか、追い越す際も車間を空けて通過してくれるので、本当に怖い思いをすることなく走ることができます。これもしまなみならではといったところでしょうか。

さて農村を走っている間に、今回の自転車の装備を紹介しましょう。ロードバイクは残念ながら「運」次第で、時にはパンクしてしまう乗り物です。しかし、きちんと空気圧が管理されていればそのトラブルを減らすことができます。今回はしっかりとメンテナンスされている専門店で自転車を借りたので、対策は万全です。さらにチューブの内部に万が一穴が開いてもそれをふさいでくれる「パンク防止剤」が入っているため、さらにパンクトラブルが少ない自転車が使用できます(ジャイアントのスタッフさん曰く「パンクは年に2回ほど」だとか)。

その万が一の備えも万全です。レンタルバイクのハンドルのあたりにバッグがセットされていて、工具等があらかじめ準備されています。

バッグの中にはタイヤを外す工具のタイヤレバー2本(右上)、交換用のチューブ(左上)、ワイヤー錠が入っています。

大事なのがフレームに取り付けた携帯用の空気入れ。これらがあれば万が一のトラブルにも対処できます。パンク修理の方法は、出発前にスタッフから教えてもらうこともできるので、心配な場合は覚えておいてもいいかもしれません。

コースに戻り、10㎞ほど農村風景を堪能すると海に出ます。ほどなく次の島「伯方島」に渡る伯方・大島大橋が見えてきました。

橋を渡るために必要な上りのアプローチをクリアすればあとは快適。海風を感じながら伯方島までしばし空中散歩を愉しみます。

「あの塩」でおなじみの伯方島

橋を降りるとすぐに目前に広がるのが伯方ビーチ。11月なので人影はまばらですが、白砂が美しく波も静か。このあたりの家族連れには人気の海岸です。さてここで人気なのが「は・か・た・の塩!」のCMでおなじみ、「伯方の塩ソフト」。ほのかに感じる塩味と甘さが絶妙! ちょっと疲労感を覚えたところに、このソフトクリームが本当にちょうどいい。ビーチにはあまり人がいなかったのですが、ソフトクリームを食べている自転車乗りはたくさんいました。

ちょうど収穫の時期を迎えたミカンにも手を出したかったのですが、一袋が大きくて断念。この大きさで300円です。

伯方島のサイクリングロードは島の南西をかすめるように走る、わずか4㎞ほどの道のり。あっという間に走り抜けて、次の大三島にアクセスする大三島橋を通過します。

見どころが多い大三島でちょっと寄り道

伯方島と同様に大三島のサイクリングロードも端をかすめるように走っているため、ルートどおりに進めば、あっという間に走り抜けてしまうのですが、せっかくなのでここでちょっとルートを外れて寄り道。島を横断して反対側の海岸にある大山祇(おおやまづみ)神社まで、走ることにしました。

奥に見えるのが次の生口島(いくちじま)に渡る、多田羅大橋です。それを横目で見ながら、神社を目指して島の西側まで走ります。ちなみにこの人型のモニュメント、ラックになっていて自転車を立てかけて休憩させることができます。

多田羅大橋から7㎞ほど。全国の大山祇神社の総本山です。所説ありますが、仁徳天皇の時代に創建され1700年の歴史を誇る神社です。

山、海の神として知られ、隣接した宝物殿には源義経の甲冑が奉納されているなど、多くの武将からも進行を集めていました。境内の神聖さはいうまでもないのですが、特にパワースポットとしてよく知られているのがこの楠。樹齢2600年!とも言われ、国の天然記念物にも指定されています。

宝物殿も含めて、もっとじっくりと参拝したかったのですが日暮れも早い季節のため、途中購入した100%ミカンジュースとミカン大福でエネルギー補給をしつつ先を急ぎます。再び多田羅大橋のたもとまで戻り橋を渡ります。

橋を渡ればいよいよ広島県です。次回は尾道までの道のりと尾道の観光スポットなどを紹介します。お楽しみに!

  • 取材・文/今 雄飛(こんゆうひ):ミラソル デポルテ代表。スポーツブランドのPR業務を行うかたわら、自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン。

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