前回は楽に上れる方法を紹介しましたが、今回は上手な下り方について紹介します。当然ですが、上りと下りでは乗り方のポイントが違います。効率的にペダルを踏み込む必要がある上りに対して、下りでは重心のバランスが特に重視されます。重心がずれていると、転倒の原因となってしまいます。さらに下りはスピードが出やすいので、スピードコントロールにも注意する必要があります。
【子どもに教える自転車の乗り方・基本編】Vol.8 「安全に下るためのテクニック」

重心は後ろに移動させる

坂道を下る時は、重心は後ろに移動させます(※上りの時は前方でしたね)。腰を引いておへそあたりにある重心を後方に持ってくるのです。平地のように下り坂を走ろうとすると、前方に重心がきてしまい前転してしまいそうになります。腰を引くことで前重心が中央に移り、体勢が安定します。
ペダルは地面に対して水平に保つ

下りではペダルを漕がなくても自転車が勝手に進みます。ペダルはあまり動かすことがないので、地面に対して水平にした状態にしておくとさらに安定して下れるようになります。この状態にすることで、足首やひざの動きが自由になりバランスを崩しそうになってもすぐにリカバリーすることができます。
またこの状態は両足にバランスよく荷重できるので、重心が低くなって体勢が安定します。下りのときに恐怖感を覚えるのは重心の高さも原因のひとつです。両足に荷重することでふらつきが少なくなり、自転車と身体が一体にとなってコントロールできる感覚があるはずです。
ハンドルへ加重しすぎない

次に意識するのはハンドルです。下りでは体勢を安定させたいと思うばかり、ハンドルをしっかりと握ってしまいがちです。しかし、そうすることで上体に力が入りコントロール性が悪くなります。両足に荷重して重心を後方に移動させておけば、ハンドル加重をしなくても自転車の挙動は安定していきます。
ハンドルへの力を抜くことで上半身の動きに自由度が増します。また、地面からの振動などを吸収できるようになるので、体の重心がずれることも防いでくれます。また、疲労感も軽減できるので、長距離を走る時などはハンドルを握る力を意識することをおすすめします。
まずはフィールドで下りの練習を

下りはどうしてもスピードが出やすくなるので、バランスのとり方や、ブレーキでしっかりと減速する練習を公園などのフィールドで行いましょう。まずクルマの来ない安全なフィールドで身に着けてから公道を走るようにしましょう。その際には、ヘルメットやグローブなどの装備を忘れずに。
最初はできなくても、遊び感覚で練習を繰り返すことでいつの間にか技術が身につきます。
安全に下るためのポイント

● 重心は後ろに移動させる
● 足は地面と水平に
● 腕をリラックスさせてハンドルへの力を抜く