曲がる、止まるができるようになった!でも、自転車の乗り方がなんとなくぎこちなく感じるのは・・・それは“バランス”がうまくとれていないと考えられます。自転車では、前と後、そして左と右のバランスのとり方が重要です。
【子どもに教える自転車の乗り方・基本編】Vol.4 「バランスのとり方」

自転車に乗るときの姿勢をもう一度チェック


まずは子供が自転車に乗っている基本姿勢をチェックしてみましょう。曲がる、止まることに集中するあまり、基本の姿勢が崩れてしまうことがあります。チェックポイントは視線の方向です。乗れたばかりのころは、どうしても下を向いてしまいがちです。進行方向に視線を向けるようにましょう。
下ばかり見て自転車に乗っていると、バランスを崩すばかりでなく、前方の安全確認ができなくなります。安全を確保するためにも、視線を前方に向けるように、心がけてください。
白線を利用した“ゲームの感覚”で練習


言われると頭では分かっていても、自転車をこぎ出すとどうしても視線が下を向くことがあります。そんな時には前方に目標物を設定します。その目印に向かって走れば、視線が上がってきます。公園や広場などで長いまっすぐな白線が続いている安全な場所があれば、その白線を使って練習しましょう。白線の上をなぞってどこまで走れるかに挑戦してみよう、というゲーム感覚で行うと、楽しく、上達も早くなります。
まずは前後のバランスをとってみる

視線を進行方向の上の方に向けるだけでもバランスが取れます。さらにレベルアップを目指すには、前後左右のバランスのとり方を練習しましょう。先ずは、(写真のように)大人が後輪を保持し、子供が自転車に乗った状態で前後に少し揺らしてみましょう。その時にバランスがとれるか確認してみましょう。
何回か前後に揺らしていると、自然に身体でバランスが取れるようになります。子供が足首を柔らかく使って、柔軟な動きでバランスが取れるようになったら完璧です。更に、自転車と体の一体感が出てきたら、もうマスターしたといっていいでしょう。

自転車が身体より前方になったときには、かかとが下がって重心が後ろに。

自転車が身体より後方になったときは、つま先を下げて重心を前に。
前後のバランスについては、あまり意識しないかもしれません。しかし、ブレーキをかけた時やコーナーなどで必要になるのでマスターしておきましょう。
“左右”はバランスを崩しやすい

次は左右のバランスを練習しましょう。「前後のバランス練習」と同じように、後輪を大人が保持し、左右に揺さぶってみます。
前後のときと違って、身体を大きく動かさないと、バランスがとりにくいと思います。自転車を大きく動かすとバランスを崩しやすいので、はじめは小さく動かすところからスタートしましょう。
自転車が左に倒れたら身体は右に、自転車が右に倒れたら身体は左に移動させます。その時、頭の位置は中心からブラさないようにします。慣れてきたら、徐々に大きく自転車を倒しこんでいきます。身体と自転車が一体となり、中央の重心点から自転車が左右に揺れる感覚を身につけましょう!

大人が後輪を保持して上手にバランスが取れるようになったら、次は実際に走りながら自分で自転車を傾けて、バランスをとる練習をしましょう。いきなり大きく倒し込むと倒れてしまいますので、最初は小さく徐々に大きな動きに挑戦してみましょう。
写真のように自転車を左右に動かしても頭の位置が白線の真上にくるように、自転車の中心に乗れるまで練習しましょう。自転車の中心で乗れる(とらえられる)ようになると、コーナーやブレーキなど自転車の操作が格段にうまくなります。
このように、バランスのとり方は自転車を乗る上で長く必要とされるテクニックです。基礎をしっかりとマスターしておけば、大きくなってロードバイクに乗るようになってもスムーズに乗れるようになります。
バランスのとり方のチェックポイント
1.バランスの基本は視線の置き方。視線は進行方向の前方に向けましょう。
2.前後バランスを取るためには、“かかと”を柔軟に使って自転車と一体になるようにしましょう。
3.左右のバランスをとる場合は、頭を中心にくるように注意しましょう。